11月は寒さが増して霜が降りる季節です。
この時期、搾りたての新酒が解禁となり、各酒蔵から新しい日本酒が市場に出回ります。
日本酒愛好家にとっては、搾りたての新酒を楽しむ絶好の機会です。
搾りたての新酒は、通常、生酒(なまざけ)やにごり酒として提供されることが一般的です。
この記事では、にごり酒に焦点を絞って魅力を伝えたいと思います。
本記事の内容
- にごり酒とは?
- おすすめのにごり酒紹介
にごり酒とは?
にごり酒は、そのままの風味や素材の個性が感じられる日本酒の一種です。
通常の清酒よりも濁りがあり、白濁酒とも呼ばれます。
下記からにごり酒について説明いたします。
- にごり酒の製造方法
- にごり酒の特徴
- にごり酒の飲み方
- 「にごり酒」と「どぶろく」の違い
にごり酒の製造方法
基本的には、通常の日本酒と同じ基本的な製法です。
原料の選定、精米、発酵、仕込みなど、最初の工程は通常の日本酒と同じです。
通常の日本酒との違いが顕著になるのは、濾過の工程です。
常の日本酒は濾過が行われ、澄んだ透明な酒になります。
にごり酒はこの濾過の工程で目の粗い布で搾ります。
これによって固形物の多い濁った状態に仕上がり「にごり酒」と呼ばれます。
にごり酒の特徴
にごり酒は、そのままの風味や香りが強く感じられます。
酒に含まれる微細な成分が豊かな香りとなり、フルーティーでありながらも米や麹の旨みが感じられます。
また、甘口であり、まろやかな口当たりを持ちます。
濾過されないことでアミノ酸や糖分が酒に残り、甘みやコクが感じられます。
これも、にごり酒の特有のまろやかな味わいを生み出しています。
搾りたての状態で提供されるため、その年の米や気候の影響がダイレクトに反映されます。
季節や年による変化を楽しむことができ、新酒の解禁時期には特に魅力的です。
にごり酒の飲み方
にごり酒は通常、冷酒として楽しむことが一般的です。
冷やすことで、風味や香りが引き立ち、爽やかな飲みごたえを味わうことができます。
冷蔵庫で十分に冷やしてから、適温で味わいましょう。
また、寒い季節や気温が低い時には、にごり酒をぬる燗にしても美味しく楽しむことができます。
ぬる燗にすることで、酒の温度が上がり、にごり酒の旨味や甘みがより感じられます。
適切な温度で提供されると、にごり酒の奥深い味わいが楽しめます。
にごり酒を楽しむ際には、適切なグラスを使うことも重要です。
ふくよかなワイングラスや、短く広がったおちょこがおすすめです。
グラスの形状によって香りや味わいが異なり、にごり酒の風味を最大限に引き出すことができます。
「にごり酒」と「どぶろく」の違い
にごり酒は濾過の工程で目の粗い布で搾ります。と先程説明しましたが
醪のまま瓶詰めするなど、搾りを全くしないものは、酒税法上で日本酒には該当しません。
「その他の醸造酒」や「濁酒」と呼ばれます。これが「どぶろく」などになります。
おすすめのにごり酒紹介
人気があり、私も飲んだ中でおすすめの濁り酒を紹介したいと思います。
- 而今 特別純米 にごり酒
- 醸す森 純米大吟醸 生酒
- 天美 新酒 純米吟醸にごり生 (雪天)
- 廣戸川 純米にごり 生酒
- 出雲富士 雪雲 YUKIMO
而今 特別純米 にごり酒
初めに紹介したいのは、而今のにごり酒、特別純米です。
シルキーな口当たりと甘旨フルーティーな味わいは、他を寄せ付けないほど完成されています。
大人のカルピスと評価されるこのにごり酒は、2023年も世間では人気があり、なかなか手に入りづらい銘柄ですが、おすすめの日本酒です。
個人的には2022年度に飲んだにごり酒では一番評価が高いにごり酒でした。
関連先記事リンク
【日本酒備忘録】 而今 日本酒紹介 「三重県名張市の酒蔵です。」
↓↓↓オンライン購入は高いのでお薦めしません。紹介のためのリンクです。酒屋などで直接購入をお勧めします。
醸す森 純米大吟醸 生酒
2つめは、醸す森の純米大吟醸です。
コストパフォーマンスにも優れる、素晴らしい日本酒です。
しかし、これをにごり酒と紹介していいのだろうか・・・ 😕
(にごり酒なんて書いてない・・・。でも色は白いからいいか・・。)
搾りの段階で、圧搾機で搾るのではなく、袋搾りで搾りを行っています。
また、火入れをしない生酒のため、瓶の中でゆっくりと熟成が進み、酵母が作り出す発泡感を楽しめます。
なので、大人のカルピスソーダのような味わいです 🙂
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【日本酒備忘録】醸す森 日本酒紹介「新潟県中魚沼郡津南町の酒蔵です。」
↓↓↓オンライン価格は適正な価格です。手に入れやすくお薦めのにごり酒??です 🙂
天美 新酒 純米吟醸にごり生 (雪天)
3つめは、天美のにごり酒です。
まろやかなシルキーな口当たりに、バランスのいい甘さと酸味が効いた軽快な味わいです。
発酵中に酵母が生み出した炭酸ガスにより少し微炭酸な味わいです 🙂
これも大人のカルピスソーダです 🙂
個人的な評価は、甘さなどの味わいは先程紹介した而今よりも濃いですね 🙂
2022年度では而今に続いて2番目に評価の高いにごり酒なのでお薦めです :-)販売時期は12月です。
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【日本酒備忘録】 天美 日本酒評価 「山口県下関市の酒蔵です。」
廣戸川 純米にごり 生酒
4つめは、廣戸川の純米にごり酒です。
原材料には福島の酒米「夢の香」を使用しています。
バナナや白桃のような香りがします。旨味が強くて難しいですが、やや辛口のにごり酒です。
口当たりはまろやかだけど、味わいは濃厚だけど後味はドライで、日本酒の主張が強いですね 🙂
大人の為のちょっと甘みある日本酒です。こちらも販売時期は12月頃になります。
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【日本酒備忘録】廣戸川 日本酒評価「福島県岩瀬郡天栄村の酒蔵です。」
出雲富士 雪雲 YUKIMO
5つめは、出雲富士の雪雲です。
こちらも廣戸川に続いて辛口のにごり酒になります。
香りは少なく、甘さも控えめ、クリーミーな旨味が濃厚です。
後味でキレのある酸味と苦味で少しドライに感じます。
廣戸川よりも甘味が少なく、さらに日本酒っぽい味わいです。こちらも販売時期は12月頃になります。
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【日本酒備忘録】 出雲富士 日本酒紹介 「島根県出雲市の酒蔵です。」
にごり酒はカルピスなど乳酸系の表現が多めになってしまいがちですね 😛
ペアリングは濃いめの味付けの食べ物(ハンバーグやチーズ)スイーツなど相性よさそうです。
紹介した通り、酒蔵や醸造家のスタイルによって異なることがあります。
好みや個々の製品の特性に注目して、日本の酒文化をより深く探求しながら、日本酒を楽しんでいただければと思います。